2026年10月15日(木)、大東倶楽部において、摂津倉庫未来展望委員会主催の物流経営セミナー「これからの物流経営を考える2026」を開催しました。

本セミナーは、会場での対面参加とオンライン参加を組み合わせたハイブリッド形式で実施し、当日は現地・オンラインを合わせて200名を超える皆さまにご参加いただきました。

今回は、

「CLO・人手不足・AI・エネルギー・BCP・Well-Beingから考える
―物流の現在地と、3年後―」

をテーマに、物流を取り巻く環境変化を踏まえ、これからの企業経営と物流のあり方について考えました。

講師には、社会文化研究家であり、株式会社池永ラボ代表取締役、日経COMEMOキーオピニオンリーダー、堺屋太一研究室主席研究員などを務める池永寛明氏をお迎えしました。

講演では、人手不足の深刻化、AI・DXの進展、エネルギー問題、地政学リスクなど、複数の環境変化が同時に進行するなか、従来の物流改善やコスト削減だけでは、今後の経営課題に十分対応することが難しくなっているとの問題提起がなされました。

物流は、営業、生産、調達、人材、設備、情報、エネルギーなど、企業活動のさまざまな要素が交わる領域です。そのため、物流現場に表れている問題を物流部門だけの課題として捉えるのではなく、企業全体の構造や部門間のつながりから、その原因と結果を読み解くことの重要性が示されました。

また、これからの物流経営に求められる取り組みとして、次の視点が提示されました。

* CLOを中心として、部門ごとの部分最適から、企業全体の流れを捉える全体最適の経営へ転換すること
* AI・DXの導入自体を目的とせず、現場に蓄積された経験、知恵、判断を見える化・標準化し、人の力を引き出す仕組みをつくること
* 人手不足を単なる採用人数の問題として捉えず、仕事の流れや役割、情報、判断、教育のあり方から見直すこと
* 働く人の身体的・心理的負荷、判断のしやすさ、人とのつながりなどを踏まえた「Well-Beingデザイン」を実践すること
* エネルギーの安定確保やBCPを物流戦略と一体化し、環境変化や危機に対応できる事業継続力を構築すること
* 現在の延長線上だけで将来を考えるのではなく、「3年後のあるべき姿」から逆算して、人材、設備、技術、拠点、物流、経営のあり方を再設計すること

さらに、現場で起きている課題を「見える化・見せる化・カタチ化」することにより、個人の経験や努力だけに依存する仕事から、現場の知恵を組織全体で共有し、継続的に学びながら品質を高めていく仕組みへ転換することの重要性も示されました。

講演後には、ご参加いただいた皆さまとの意見交換も行われ、「3年後を考える視点」「物流を起点として企業全体を見ることの重要性」「Well-Beingデザイン」「AI時代における人の判断の役割」などについて、さまざまなご意見やご関心が寄せられました。

今回のセミナーは、これからの物流経営に必要なのは、単なる効率化や自動化ではなく、変化に適応できる柔軟性を備え、働く人の判断力や創造性を生かす経営の仕組みを構築することであると、改めて考える機会となりました。

摂津倉庫グループは、物流を受託するだけの存在にとどまらず、お客さまとともに将来の物流経営を考え、新たな価値を創造するパートナーを目指しています。

今後も、社会や事業環境の変化を的確に捉え、今回の学びを具体的な行動と経営改革につなげるとともに、持続可能な物流の実現と新たな価値創造に取り組んでまいります。

ご参加いただきました皆さまに、心より御礼申しあげます。